PS3版「トラスティベル ~ショパンの夢~ ルプリーズ」を何とかクリアしましたのでネタバレ無しの感想を書きます。ただ、この作品が大好きな人はスキップして頂いた方が良いかもです・・・。
・キャラクタ、物語、世界観
最初から判って購入していた事ではありますが、最後まで絵柄に馴染むことが出来ませんでした。絵柄と違い、物語自体は一部説明不足かなと思う部分も「夢の世界」と解釈できますし、ある意味哲学的で、登場人物の心の機微を描いたドラマティックな内容になっています。
また、「~ショパンの夢~」とあるようにショパンの曲名が章題に使われていますし、音楽用語がゲームの世界に随所に盛り込まれております。これは、当作品の原案・ディレクターでありトライクレッシェンドの代表・初芝氏が音楽畑のクリエイターである事とは無関係ではないでしょう。
個人的にはもう少し一般受けする絵柄にしておけば間口も広がったのでは?と感じております。絵柄に馴染めるかどうか?で、この作品を最後まで楽しめるかどうかを最初に判断出来てしまうところが実に残念。
・システム全般
フィールド、町中、ダンジョン、戦闘中、全てのモードで視点が固定されているゲームビジュアルには誰もが衝撃を受けることでしょう(戦闘中は視野を変更できますが、視点を動かすことは出来ません)。10年以上前の作品であるFF7ですらフィールド上は自由に視点移動ができたわけですから。
特に敵が出てくるフィールドやダンジョンでは理不尽さに頭を抱えそうになります。当作品はシンボルエンカウント方式ですので、敵の視界に入らないようにする事が効率よく移動するコツでもあります。それなのにダンジョンの奥から手前に移動する時は、目の前に敵がいるかどうかも判らない状態になるのです。
予備知識がない人ならば「15年前の作品をHDリメイク」したと思われても仕方がない古さです。正直なところトップビューの方が見やすい訳で、この画角ならば自由な視点移動を前提とする必要があるでしょう。
・戦闘について
戦闘システムには力が入っています・・・いや、力入れすぎで胸焼けがします。
①とにかくガードが必要
②パーティクラスが上がるたびに難易度が上がる
③レベル上げする拠点が少ない
④敵との位置取りが重要な割に視点に制限がある
このゲームで戦闘を行っていると、「画面に集中していろ!」と半ば脅迫めいた圧力をひしひしと感じてしまいます。ガードをミスすると雑魚敵でも大ダメージを受けますし、強敵なら尚更です。パーティクラスが向上すると戦闘の幅は広がりますが、休む間もなく戦闘に集中しなくてはいけません(ポーズすれば良いという問題ではない)。
更に戦闘中のカメラが最悪です。位置取りが重要な割には操作キャラがどこにいるのかが判りづらく、そのくせパーティクラスが上がるとシンキングタイム(待ち時間)すら無くなるのです。
使い勝手の悪いシステムでストレスだけが一方的に蓄積され、そのくせ肝心な戦闘勝利後のカタルシスは全く感じられません。戦闘をシビアに設定するのならば、その代わりシステム周りは柔軟で使いやすくする必要があるでしょう。
私はRPGラバーですが、この戦闘システムならば「アクションゲームをプレイした方がマシ」と感じました。
・総括
当作品はトライクレッシェンド初の単体開発ゲームになります。それで気負ったのかどうかまでは判りませんが、とにかくこのゲームのシステムには「ゆとり」が感じられません。トライエースとの関わりもあり、数多くのRPG作品に携わってきた事で開発陣全体の感覚が麻痺してしまったのでしょうか。
また、「RPGの戦闘を飽きさせない」は20年前からの課題です。J-RPGのゲームプレイ大半を占める戦闘時間を退屈させない工夫は結構なことですが、それ以前にこの作品ではやらなければいけない事が多すぎます。「飽きさせない」事より、「ストレスを感じさせない」事を優先させるべきです。
「トラスティベル ~ショパンの夢~ ルプリーズ」は、私のような「ダラゲーマー」には実に厳しいタイトルでした。幸い?ナムコRPGともトライ系RPGともしばらくは縁が無さそうなのが逆に救いなのかも知れません。
私個人の感想としては全体的に厳しい内容になってしまいましたが、楽しんでプレイしている人が数多いことも理解しています。私の知人も2週クリアまでプレイされたようで、戦闘も気に入っているとの旨をブログに書いています。なお、こちらの感想はネタバレ全開ですので、あらかじめご了承ください。